手法の全面公開

レビューを読んで「良さそう」と判断するのは、やっていません。数えているだけです。何をどう数えたか、どこで数え損ねているかを全部書きます。

やっていること

Amazon のレビューページには、キーワードで絞り込む機能があります。「硬い」で絞れば、本文に「硬い」を含むレビューが何件あるかが出る。表示されるのは10件までですが、件数だけは全件を検索した結果が返ってきます。

ここを使います。数千件を読むことはできません。数えることはできる。

星1〜3だけに絞ってからキーワードを足せば、「その語が出てくるレビューのうち、低評価だったのは何件か」が分かります。語を2つ並べればAND検索になるので、「硬い 痛い」のような共起も数えられる。

指標の定義式

本文が付いたレビューだけを母数にします。星の分布に出てくる総評価数には、本文なしの星だけの評価が含まれていて、キーワード検索の対象にならないためです。

母数
n_positive + n_critical(星4〜5の件数と星1〜3の件数の合計)
baseline
n_critical ÷ 母数。この商品のレビュー全体で、低評価がどれくらいの割合かという基準線
mention_rate(言及率)
その語を含むレビュー数 ÷ 母数。どれくらい話題になっているか
topic_risk(極性比)
(その語を含む低評価数 ÷ その語を含む全件) ÷ baseline

topic_risk が 1.0 なら、その語が出てくるレビューの低評価率は商品の平均どおり。1.5 なら平均の1.5倍そちらに寄っている。0.7 なら逆に高評価側へ寄っている。

その語を含むレビューが10件未満のときは数値を出しません。3件中2件が低評価でも、それは偶然と区別がつかないので。

topic_risk が言えないこと

この数字は「不満の原因」ではありません

キーワード検索は否定形を分離できないからです。Amazon は活用形を原形に正規化するので、「硬い」で検索すると「硬くない」も一緒に拾われます。「硬い」の topic_risk が高いとき、硬くて困った人が多いのか、硬さの話題そのものが荒れているのかは、この数字だけでは決まりません。

だから読み方は一つだけに固定しています。その語が語られたレビューが、低評価と高評価のどちらに偏るか。それ以上のことは言いません。

限界

  • 語彙が偏ると、数字も偏ります。低評価レビューだけを読んで語を集めれば、集めた語はすべて低評価に寄ります。それは商品の性質ではなく、こちらの手続きが作った偏りです。低評価側と高評価側を同じ件数だけ読んで語を拾う手順にしていますが、拾い漏らした語は最初から数えられていません。
  • 星の分布は割合しか公開されていません。Amazon が出しているのは「44%・28%・…」という四捨五入された百分率だけです。総評価数を掛けて件数を復元することはしません。誤差が乗った数字を、あたかも実数のように扱うことになるので。
  • 表記ゆれを拾いきれません。「硬い/固い/かたい」のように、同じことを別の字で書く人がいます。列挙していますが、全部は挙げられません。挙げ損ねた分だけ件数が少なく出ます。
  • 「〜すぎ」「〜め」は足しません。「硬すぎ」は「硬い」の部分集合なので、足すと二重に数えることになります。
  • 時点の数字です。レビューは増え続けます。記事に書いてある件数は、収集した日のものです。
  • 1商品を1回測っただけでは、それが良いのか悪いのか決まりません。比較対象がないので。

やっていないこと

  • レビュー本文を保存していません。その場で件数に落として捨てます。ファイルにもクラウドにも残していません。
  • レビューの文章を記事に再生していません。引用も、言い換えも、要約もしません。書いてあるのは件数と、そこから計算した数字だけです。
  • AI に読ませて結論を作らせていません。数える手順は全部このページに書いてある通りで、途中に「AI が判断した」箇所はありません。
  • メーカーから商品も金銭も受け取っていません。報酬の出どころは開示ページに書いてあります。